2015年9月24日(木)
韓国 労働法改悪にゼネスト
“簡単解雇許さない”
韓国政府が進める「労働市場の構造改革」に対抗し、二大全国労組の一つである全国民主労働組合総連盟(民主労総)が23日、ゼネストを行いました。ハン・サンギュン委員長は、同日の集会で「民主労総は全面的にたたかう。非正規雇用での生活を強い、簡単な解雇を可能にする労働改悪を必ず食い止める」と強調。労働者らは「簡単な解雇を許さない」「生涯非正規雇用を労働者の団結で粉砕しよう」と呼びかけました。(栗原千鶴)
今月11日、政府は「構造改革」に関連するガイドラインを作成すると発表。与党セヌリ党も16日に関連する五つの法案を国会に提出しました。
ガイドラインには、「成果が出なかった」人や「勤務態度が悪い」人を一方的に解雇できる一般解雇制度と、労組との合意なしに賃金体系などの就業規則を変更できる緩和策が盛り込まれています。一般解雇制度を利用すれば、労組活動家を選び出して解雇できるとの懸念もあります。
セヌリ党が提出したのは勤労基準法、派遣労働者法、期間制労働者法、雇用保険法、労災保険法の5改定法案。現在2年までの非正規労働者の契約期間を4年まで延長できるほか、32業種に制限されている派遣労働者の受け入れ対象を製造業や専門職の高齢者にも拡大する内容です。
民主労総は声明で、「賃金の引き下げ、労働時間の延長、非正規労働者の正規労働者への転換機会のはく奪、不法派遣の合法化などをもたらす改悪案だ」と糾弾しました。
「構造改革」案については、労働者、使用者、政府の3者代表で構成する労使政委員会で1年近く妥協点を探っていました。しかし政府は今月、一方的に協議を打ち切り。最大労組の韓国労働組合総連盟(韓国労総)は15日、政府案に同意しました。
韓国労総のキム・ドンマン委員長は「今後も労使と十分な協議をするという内容を文書で合意した」と語り、組合員を説得しました。しかしセヌリ党は、合意を無視して翌16日に国会へ法案を提出。韓国労総は「政府与党が合意を破棄する道を選ぶならば、合意について無効を宣言し、立法阻止闘争を展開するしかない」としています。