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2015年9月22日(火)

ギリシャ総選挙

急進左派連合が第1党

チプラス氏 首相再任へ

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 【パリ=島崎桂】ギリシャ総選挙(一院制、定数300)が20日、投開票され、チプラス前首相率いる与党・急進左派連合(SYRIZA)が第1党を獲得、同国での左派政権の存続と併せ、8月に辞任したチプラス氏の首相再任が確実となりました。


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(写真)ギリシャ総選挙で、与党・急進左派連合(SYRIZA)の勝利を喜ぶ同党支持者ら=20日、アテネ(島崎桂撮影)

緊縮実施など問われる

 SYRIZAは約35%を得票し、過半数には届かないものの第1党に与えられる50議席を加えた145議席を獲得しました。1月の総選挙で得た149議席には及びませんが、改選前の124議席から党勢を回復しました。

 事前の世論調査で、SYRIZAと保守系の最大野党・新民主主義党(ND)の接戦が予想されましたが、NDは75議席(得票率28%)にとどまりました。連立与党「独立ギリシャ人」は10議席(同3・7%)を得たため、同党とSYRIZAによる連立は維持される見通しです。

 今回の選挙では、欧州連合(EU)などによる総額860億ユーロ(約11兆7000億円)の金融支援の条件として、各種増税や年金・社会保障の削減、労働市場改革を受け入れたチプラス氏への評価が問われていました。新政権にとって最大の課題は、これら緊縮策の実施と、国民生活への影響軽減です。

 1月の前回総選挙で、「新たな金融支援は必要ない」と訴えていたチプラス氏に対し、投票を済ませた一部の有権者からは「うそつき」「裏切り者」など厳しい声が寄せられました。SYRIZAに投票したというソフィア・ゼノポウロウさん(73)=年金生活者=も、「これ以上の年金削減には耐えられない」とした上で、「緊縮に反対するチプラス氏の意思は信じている」と語りました。

 チプラス氏は20日夜に行った勝利宣言の中、「ギリシャ国民の権利を守るため、これまでと変わらぬ決意、変わらぬ自己犠牲の精神でたたかい続ける」と訴えました。

 SYRIZA、NDに続き、移民排斥を掲げる極右「黄金の夜明け」が約8%を得票し、第3党を維持。欧州で急増する移民・難民にとって「欧州の玄関口」となっているギリシャでの、反移民感情の高まりを示しました。新政権には今後、移民・難民対策と併せ、台頭する極右への対応も求められます。

 このほか、反緊縮とEU離脱を訴えるギリシャ共産党、NDと連立を組んでいた全ギリシャ社会主義運動(PASOK)など計8党が議席を獲得しました。

 チプラス氏による緊縮受け入れに反発し、SYRIZAを離党した議員らが立ち上げた新党「民衆統一」は、議席獲得には至りませんでした。

 投票率は56・6%と低水準となりました。


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