2015年9月21日(月)
正常化過程 継続を
ローマ法王 キューバ訪問し訴え
米との国交回復を歓迎
【ワシントン=島田峰隆】フランシスコ・ローマ法王が19日、キューバを訪問しました。米国とキューバの国交正常化交渉の開始を仲介した法王は、両国の国交回復を歓迎し、本格的な正常化へ歩みを続けるよう呼び掛けました。
法王は22日まで滞在し、ラウル・カストロ国家評議会議長と会談するほか、首都ハバナなどでミサを行います。フィデル・カストロ前議長と会談する可能性もあるといいます。キューバ訪問後は米国を訪れます。
ハバナの空港であいさつした法王は「米州の諸国民の平和と幸福のために、また世界全体の和解の模範として、米キューバ両国の指導者に国交正常化の道を歩み続けるよう呼び掛ける」と述べました。
法王を出迎えたラウル・カストロ議長は、米国との国交正常化交渉過程への支援に感謝を表明しました。
同議長は、キューバは公正な社会の実現や教育・医療の権利の確保などに取り組んできたと指摘。「われわれは経済封鎖のもとで、侮辱され、攻撃され、多くの人命の犠牲と甚大な経済的打撃を伴いながら、これらを実施してきた」と語り、米政府に経済封鎖の中止を求めました。キューバ東部にあるグアンタナモ米軍基地の返還も改めて要求しました。