2015年9月19日(土)
安倍政権打倒いまこそ
政治部長 高柳幸雄
早朝から深夜・未明まで途切れることなく最後の最後まで繰り広げられた戦争法案廃案を求める国会周辺の市民の大行動で、政治の局面を映し出した二つのコールが忘れられません。
世代・党派超え
「アベはやめろ!」と「野党はがんばれ!」―法案の国会提出から4カ月に及んだ戦争法案のたたかいは、安倍政権打倒の声を大きく広げ、法案反対の国民世論と運動に支えられて一致結束する日本共産党など野党の存在を“巨大”なものにしました。「安倍政権VS国民」の対決構図が目に見えるようになりました。
安倍政権が戦争法案強行成立の「タイムリミット」と位置付けた18日、野党側は参院で安倍首相問責決議案、衆院に安倍内閣不信任決議案をそれぞれ提出し、しゃにむに強行成立を急ぐ安倍政権と最後まで対決しました。
日本共産党の志位和夫委員長は衆院本会議で、山下芳生書記局長は参院本会議で決議案の賛成討論に立ち、安倍政権が憲法の平和主義を根底から覆し、日本を「海外で戦争する国」につくりかえる戦争法案をごり押しするなどの罪状を次々告発するとともに、国民の異論や批判にいっさい耳を傾けず強行する民主主義否定の姿を厳しく糾弾しました。討論の間も「戦争法案、いますぐ廃案」の市民のコールは途切れることはありませんでした。衆参本会議場の演壇に立つ野党各党代表の姿は、その市民が立ち現れたかのようでした。
安倍政権打倒の声を大きく広げたのは主権者・国民ですが、その要因を生み出したのは安倍政権自身です。
世論調査で6割の国民が「今国会での成立に反対」、8割の国民が「政府の説明が十分でない」といっている戦争法案を国会での多数をもっているからといって強行しようとするその独裁政治が、「いま立ち上がらなければ」と世代を超え、党派を超えたたたかいに向かわせました。
どれも民意無視
こうした民意を無視した安倍独裁政治は、戦争法案だけではありません。国民の多数が反対している原発再稼働を強行し、「正社員ゼロ」「生涯ハケン」への道を開く労働者派遣法の改悪も強行しました。知事選や総選挙で幾度も「新基地建設ノー」の民意が下された沖縄・新基地建設問題でもその民意を無視して埋め立て工事を再開しました。アメリカにどこまでも追随し、大企業の利益に奉仕する安倍独裁政治は、国民と相いれない極限に達しています。戦争法案の国会審議でしきりに「存立危機事態」なるものを口にした安倍政権ですが、いまや安倍政権そのものが国民と日本にとっての「存立危機事態」となっています。
「仮に戦争法案が成立しても、たたかいはこれからです。むしろ出発点です」「あきらめません。ずっと、ずっと反対の声を上げ続けます」。国会正門前の大行動に「いてもたってもいられない」とかけつけた女性や学生らはこう語りました。
安倍政権が破壊しようとしている憲法。しかし、国民はその憲法が定めた国民主権の原則を発揮し、立憲主義・平和主義・民主主義が真に実現する政治を求めて、「不断の努力」として声をあげています。安倍政権を打倒し、立憲主義、民主主義、平和主義を貫く新しい政治をつくるときです。