2015年9月8日(火)
なんだっけ?
難民と移民の違いは?
Q 欧州を目指す人々を「難民」や「移民」と呼ぶけれど、どう違うの?
A 中東やアフリカなどの戦禍を逃れた人々が欧州に殺到している。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、「難民」とは戦乱や迫害を逃れて自国から脱出した人のこと。1951年の難民条約などで定義されている。各国はUNHCRの助言や支援を受けながら、難民を保護する。最も重要な原則は、生命や自由への危険がある出身国への送還や、到着した国からの追放をしてはならないことだ。
「移民」とは、よりよい仕事や教育や、家族との同居を求めて、国境を越えて移動する人のこと。難民の場合とは違い、自国に帰還する場合に危険はない。
Q 「難民」と「移民」の扱いは違うの?
A 受け入れ国にとって、難民に対しては国際法で保障された保護を与える責任が生じるが、移民に対しては自国の法律に基づいて処遇することが認められる。UNHCRは、地中海やトルコ経由などで欧州に渡っている人々の中には、難民と移民の両方がいるとしつつも、現在の問題は「主要には難民危機」だと指摘している(4日のグテレス高等弁務官の声明)。
Q どうして同じ扱いをしてはならないの?
A グテレス氏は、難民と移民を混同することは難民の生命や安全を危険にさらすことになると警告している。移民の権利や尊厳を守りながら、難民が必要としている保護や公正な亡命手続きなどを保障しなければならないからだ。(2015・9・8)
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