2015年9月7日(月)
移民・難民受け入れ求め集会 パリ
市民“国境を開け”
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【パリ=島崎桂】パリの共和国広場で5日、欧州を目指す移民・難民らの積極的な受け入れを求める集会が開かれました。警察発表で約8500人が参加。欧州各国による受け入れの不備や消極姿勢を糾弾しました。
「私たちの名で(難民拒否を)するな」「難民ようこそ」を合言葉に開かれた今回の集会は、一部市民や人権団体がインターネットなどを通じて呼び掛けたもの。参加者は「国境を開け」「迫害を受けた全ての人に亡命の権利を」などと書かれたプラカードや、欧州を目指す途上で事故に遭い溺死したシリア人男児アイランちゃん(3)の写真を手に、移民・難民への連帯を示しました。
集会では、シリアやスーダンなど内戦・戦闘地域を逃れた難民らがマイクを握り、窮状を告発。「私たちは当たり前の自由と平和を求めているだけだ」などと訴えました。
チュニジア系移民のケレル・ムシュバさん(29)は、「欧州各国はシリアへの空爆を行っている。その一方で、戦闘に伴う難民の受け入れを拒否することは矛盾であり、受け入れられない」と語気を強めました。6歳の娘を連れ、夫とともに参加したクルド人女性(40代)は、「トルコ政府はクルド人への攻撃を強めており、欧州への亡命を目指す人々もたくさんいる。アイランちゃんの死は、人ごとではない」と表情を曇らせました。
同日、フランス南西部トゥールーズや東部ストラスブールでも数百人の市民が移民・難民への連帯を掲げてデモ行進しました。