2015年9月4日(金)
中国 兵力30万人削減
抗日戦勝利70年式典で宣言
パレードでは軍事力誇示
【北京=小林拓也】中国の「反ファシズム戦争・抗日戦争勝利70周年」記念日の3日、北京の天安門前で軍事パレードを含む記念式典が行われました。
習近平国家主席が演説し、抗日戦争で中国は「日本軍国主義の野望を徹底的に粉砕し、近代以来の外国に侵略された民族の恥辱を洗い流した」と指摘。「この偉大な勝利は、中国の大国としての地位を再び確立し、中華民族の偉大な復興への前途を切り開いた」と述べ、反ファシズム戦争での中国の貢献を強調しました。その上で、反ファシズム戦争勝利の成果を守り、「人類への新しく大きな貢献のため努力する」と訴えました。
また、「現在の世界はまだそれほど平和ではない」とし、「われわれは歴史をかがみとして、平和を守る決意を固めなければならない」と呼びかけ。中国は「平和発展の道を堅持する」とし、現兵力230万人から30万人を削減すると宣言しました。
式典の最後には、白いハトや色とりどりの風船が青空に放たれ、中国の軍拡への国際的批判が高まる中、「平和」を強調するものとなりました。
約50分の軍事パレードでは、1万2000人の兵士が参加し、500以上の装備と200機近い航空機が披露されました。弾道ミサイルなども登場し、軍事のハイテク化を誇示しました。
式典には、ロシアのプーチン大統領や韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領ら31カ国の元首・首脳級が参加。国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長も出席しました。江沢民元国家主席や胡錦濤前国家主席、李鵬元首相ら元最高指導部も顔を見せました。
中国政府は、式典を「青空」で迎えるため、8月20日から車の通行を半減させ、北京や周辺の工場の操業停止や生産制限などの措置をとりました。市内には厳戒態勢が敷かれ、2日夜から天安門周辺や軍事パレードが行われた長安街などを通行止めにし、中心部の地下鉄駅も封鎖。2日から中心部のレストランや店が強制休業となり、市民生活にも影響が出ました。