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2015年8月27日(木)

難民流入 苦悩の欧州

イラク・シリア内戦で急増

独など関係国 きょう対応協議

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 中東やアフリカから欧州への難民流入が止まりません。ドイツ政府は今年の国内での難民申請者を当初の45万人から80万人と2倍近くに修正、ドイツへの難民流入は第2次世界大戦終了後で最多になる見通しです。ドイツのメルケル首相は「難民問題はギリシャ財政危機よりも憂慮すべき問題だ」と表明しました。27日にはウィーンで、難民流入が問題になっているバルカン諸国とオーストリア、ドイツの首脳が対応策を協議します。 (片岡正明)


 難民の受け入れに欧州各国は難しい対応を迫られています。バルカン半島の小国マケドニアでは、21日までは、国境に警察機動隊を配備し、閃光(せんこう)弾や催涙ガスで追い散らし、多くの負傷者が出る事態でした。しかし、欧州連合(EU)各国のマスメディアがこれを批判、今は女性や子どもなどは通過を認める方針に変えています。国連難民高等弁務官事務所によると、現在、毎日約3000人の難民がマケドニアに入っています。隣国のブルガリアは軍事演習という名目で、国境に重装備の軍を派遣し、難民流入を阻止。ハンガリーはセルビアとの国境に175キロもの有刺鉄線のフェンスを張りめぐらせました。

 フランスのパリでは難民施設不足から支援団体が廃校を占拠。当局は不法占拠としていましたが、現在は一時的な施設としての使用を認めています。

 ドイツでは、難民受け入れ急増に対し、ネオナチなどの極右が難民を標的にした暴力事件が目立っています。25日にもブランデンブルク州ナウンで難民を収容するはずだった体育館が放火され、炎上。放火だけでなく、銃弾の撃ち込みや、難民を守ろうとする警官隊との暴力的な衝突が後を絶ちません。

 ドイツ政府は難民申請の理由を戦争や政治的迫害に限り、経済的理由からの難民は不法移民として送還しています。

 EU諸国内に入った難民は今年1〜7月で約34万人です。難民急増の大きな原因はイラク・シリア内戦で、勢力を伸ばす過激組織ISが大都市を占拠し、市民を殺害などしていること。特にシリアでは、国内難民も含めると人口の4分の1以上の600万人以上が難民となっているといいます。

 シリアからはトルコを通り、トルコの目の前にあるギリシャ領のコス島へ。ギリシャからマケドニア、セルビア、ブルガリアなどを通ってドイツをめざす難民が多い。また、アフリカからはリビアから船でイタリアやマルタをわたり、英国をめざしています。


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