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2015年8月24日(月)

難民に暴力的対応

欧州各国で極右や警察

ドイツ 収容施設に放火

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 中東やアフリカから欧州を目指す難民が急増していますが、これらの難民に対し、極右や警察などが暴力をふるう事例が顕著になっています。ドイツ国営第2テレビ(ZDF)は、「平和と民主主義を求めて、欧州連合(EU)をつくった欧州が、戦争から逃れ助けを求めてくる人々をこのように扱っていいのか」とコメントしました。


 最大の受け入れ国ドイツでは、極右勢力による収容施設への放火や暴力事件が頻発。22日も東部ザクセン州ドレスデン近郊のハイデナウで難民を守ろうとする警官隊と極右が衝突しました。

 ドイツ・メディアによると、ハイデナウの難民収容施設に難民250人が深夜1時に入居しようとしたところ、待ち受けていた極右のデモ隊が石やビン、爆音花火を投げつけました。警官隊も催涙弾を発射して応酬、双方の十数人が負傷しました。

 4月には東部ザクセン・アンハルト州の難民収容施設が放火され、7月にはザクセン州ライプチヒ近郊の難民施設に銃弾が撃ち込まれる事件が起こっています。

 ドイツは第2次世界大戦中にナチスによるユダヤ人やロマ迫害など人種差別をしてきた過去の反省から、これまで難民には比較的寛容な政策を取り、過去にはボスニア・ヘルツェゴビナやコソボからの難民を受け入れてきました。

 しかし、亡命を申請する難民など保護申請者は年々増加し、「今年は年間で最大80万人が見込まれ」(独内務省)、急増への懸念もでています。こうしたなか、極右が人種差別をあおる事態となっています。

 昨年秋以来、極右組織「西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人」(ペギーダ)が伸張し、地方議会で議席を獲得しており、対抗する人々のデモとのにらみ合いは続いています。

 一方、英独仏伊などを目指す難民の経由国では、警官隊が難民の流入を阻止するための暴力的な対応が目立っています。

 欧州東部のマケドニアは20日、難民流入で緊急事態を宣言。警官が催涙弾、発光弾などを発射し、子どもを含む難民多数が負傷しました。ハンガリーでは、隣国セルビアとの国境沿いに175キロメートルに及ぶフェンスの「壁」建設に着手し、難民流入への監視を強めています。

 EUは難民対策で、受け入れ分担を決めていますが、強制割り当てではなく各国の自主申告によるもので、ハンガリーやオーストリアは全面的に拒否しています。(片岡正明)


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