2015年8月19日(水)
米が無人機作戦増強
4年で5割増へ 攻撃能力も強化
【ワシントン=島田峰隆】米軍は、テロ対策と称して世界各地で行っている無人機による監視や攻撃の作戦回数を、今後4年間かけて5割増やす計画をまとめました。国防総省のデービス報道部長が17日、記者団に語りました。
同部長によると、米軍は無人機による作戦回数を2019年までに、現在の1日あたり60〜65回から約90回に増やします。現在作戦を担っている空軍のほか、陸軍、特殊作戦軍、契約請負企業も参加します。
17日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが国防総省高官の話として伝えたところによると、監視強化の対象地域はウクライナ、イラク、シリア、南シナ海、北アフリカなどです。国防総省は無人機の攻撃能力も強める姿勢で、計画が実現すれば11年以来の大幅な増強になると同紙は伝えています。
デービス氏は「監視能力を強めるよう各地の司令官から継続的な要請があった」と述べました。米欧州軍のブリードラブ司令官は今年4月の上院公聴会で、ウクライナ情勢をめぐる不測の事態を避け、必要な場合に対応するため情報収集の強化が必要だと主張していました。
オバマ政権は、イラクやアフガニスタンから米軍を撤退させる一方で、無人機による攻撃を強めています。多くの民間人犠牲者を出し、国際的に批判されています。
英国の非営利組織「調査報道局」(BIJ)が8月に発表した集計によると、パキスタンでは04年から現在まで米無人機による攻撃が419回あり、最大で3976人が死亡、うち965人が民間人と見積もられます。