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2015年7月31日(金)

南シナ海の安定へ

「行動規範」策定 新段階へ

中国・ASEAN 高官協議で一致

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 【天津=小林拓也】中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は29日、中国の天津で、南シナ海問題をめぐり法的拘束力を持つ「南シナ海行動規範」(COC)策定に向けた第9回高官協議を開き、COC策定交渉を「新たな段階」に進めることで一致しました。


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(写真)記者会見するタイのノパドン外務次官補(左)と中国の劉振民外務次官=29日、中国・天津市内(小林拓也撮影)

 協議後の共同記者会見で、中国の劉振民外務次官は、「COC策定交渉が新たな段階に入ることで合意した」と宣言。今後の交渉では「重要で複雑な問題を討議し、COCの枠組み草案準備のために共通の要素の整理などを行う」と表明しました。その上で、専門家らで構成される合同作業部会に、交渉の作業方法を討論・制定する正式な権限を与えることを決定。COC策定交渉の加速が期待されます。

 タイのノパドン外務次官補は、10月に中国四川省の省都・成都で開かれる第10回高官協議の場で、COCの概要が示されることを望むと述べました。

 また協議は、ASEANの一部加盟国と中国が領有権を争い、対立が激しくなっている南シナ海情勢に関し、中国・ASEAN間の、「海上捜索救助ホットライン」の指針と、「海上緊急事態に対応する外交高官のホットライン」の指針を、合同作業部会が早急に話し合い、完成させるよう促しました。

 劉次官は「COC策定以前でも情勢を有効にコントロールし、不測の事態の発生を防ぐことはできる。双方は海上対策で討論を進めることで合意した」と指摘。「中国とASEANは、南シナ海の平和と安定、航行の自由を守る努力を引き続き続ける」と語りました。

 8月上旬にマレーシアで開かれるASEAN関連外相会議では、南シナ海をめぐる問題の議論が国際的に注目されます。ノパドン外務次官補は「今回の協議の成果が8月の会議の基礎となる」と強調しました。


 南シナ海行動規範(COC) 南シナ海での領有権争いを激化させないために、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国がつくろうとしている合意文書。ASEANと中国は2002年に、武力による威嚇と武力行使の禁止、領有権問題の平和的解決などを盛り込んだ「南シナ海行動宣言(DOC)」に合意。COCは、これを発展させ、法的拘束力を持たせるものです。


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