2015年7月22日(水)
米キューバ国交回復
54年ぶり 両国大使館が再開
ケリー米国務長官来月14日ハバナへ【ワシントン=島田峰隆】米国とキューバは20日、正式に国交を回復し、相互の首都で大使館を再開しました。キューバの革命政権を敵視した米国が1961年に一方的に断絶して以来、国交回復は54年ぶりです。キューバのロドリゲス外相は同日、ワシントンを訪れ、ケリー米国務長官と会談しました。
両国の外相がワシントンで会談するのは59年のキューバ革命後初めて。大使館の再開は、双方の首都に置かれている利益代表部を格上げする形で行われました。
ワシントン市内では20日、大使館となったキューバ利益代表部でロドリゲス外相が出席して記念式典が開かれました。米側からはジェイコブソン国務次官補(西半球担当)が出席。式典には500人余りが集まり、キューバの国旗が掲揚されると歓声が上がりました。
ケリー氏は、ロドリゲス氏との共同記者会見で「全面的な国交正常化過程の始まりだ」「歴史的な日だ」と大使館再開の意義を強調しました。
ロドリゲス氏は「対話を深める新たな手段ができた」と歓迎。「国交正常化の土台は主権平等や内政不干渉の原則だ」と述べ、米国が国連憲章を無視して続ける経済封鎖の解除、キューバにあるグアンタナモ米軍基地の返還などを求めました。
キューバの首都ハバナでも20日、米国の利益代表部が声明で、同日から大使館となったことを発表しました。米国務省によると、8月14日にケリー国務長官がハバナを訪問し、大使館再開を祝う式典を開きます。