「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2015年7月20日(月)

米軍、比再駐留を準備

南シナ海 軍事関与強化

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 フィリピンと米国が、相次いで南シナ海への軍事関与を強化する姿勢を表明しました。南シナ海には、フィリピンが中国との間で領有権・管轄権を争う島しょや岩礁が複数あります。旧米海軍基地へのフィリピン軍と米軍の駐留計画など過度な軍事態勢強化は、中国との軍事衝突の危険を高めるとの懸念が出ています。(面川誠)


写真

(写真)補給と補修のためにスービック湾に寄港した米軍の艦船=2013年9月(面川誠撮影)

対中緊張激化に懸念

 フィリピン国防省は16日、1992年まで大規模な米海軍基地があったスービック湾にフィリピン軍の戦闘機やフリゲート艦を駐屯させる方針を明らかにしました。米軍が撤退した後のスービック基地跡は、経済特区になっています。

 フィリピン北部ルソン島にあるスービック湾は、首都マニラの北西約80キロに位置。南シナ海に面しており、水深が深く軍事利用に適しているといいます。

 ガルベス国防省報道官は同日の記者会見で、フィリピン軍の駐留は南シナ海情勢を考慮したもので、2013年から検討してきたと述べました。かつての米軍施設を改修すれば、軍事機能はいっそう高まるとしています。

 これに続いて米太平洋艦隊のスウィフト司令官は17日、マニラで現地の記者団に対し、「この地域で生じている不確実性が、われわれが関与する根拠だ」と強調。米国と軍事同盟を結んでいるフィリピンや日本との合同軍事演習を今後も拡大していくとして、「われわれは、いかなる事態にも即応する準備ができている」と述べました。

 米下院外交委員会は16日、アジアにおける米国の同盟政策に関する公聴会を開催。フィリピンへの軍事援助を増やすべきだとの意見に対して、シャーマン議員(民主)が「南シナ海での紛争に米国が関与しすぎれば、中国との軍事衝突に陥る恐れがある」との懸念を表明しました。

 米国とフィリピンは昨年、フィリピン軍基地を共同使用するための新軍事協定に調印しました。米軍がフィリピン軍基地内に展開したり、施設を建造したりすることが可能な内容です。

 フィリピン政府当局者は15日、現地テレビの取材に「スービック湾が再び軍事基地になれば、新軍事協定に基づいて米海軍がひんぱんに利用するだろう」と言明。フィリピン紙インクワイアラー18日付は、「米軍が思うままに出入りできることに対しては、強い懸念が出されている」と報じました。

 フィリピン上院には先月、新軍事協定は条約文書であり上院の批准が必要だとする決議案が提出されました。サンティアゴ上院外交委員長は現地記者団に、「外国軍の部隊、施設の存在をフィリピン国内で容認する条約文書は、上院の批准がなければ無効になる」と述べています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって