「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2015年7月20日(月)

NHK日曜討論 山下書記局長の発言

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 戦争法案をテーマにしたNHK日曜討論・各党リレーインタビュー(19日放映)での日本共産党の山下芳生書記局長の発言を紹介します。


強行採決―9条と国民主権をダブルで踏みにじる暴挙

 ―衆院安保法制特別委員会(15日)、衆院本会議(16日)での2日連続の採決をどう受け止めていますか。

 山下 どの世論調査でも、国民の5割が「憲法違反」、6割が「今国会での成立に反対」、8割が「説明が不十分」だといっている中での強行採決ですから、憲法9条と国民主権をダブルで踏みにじる暴挙だと思います。ですから、国民の怒りは強いし、深いと感じています。

「殺し殺される」活動に自衛隊を送ることを首相は否定しなかった

 ―共産党としては、これまでの審議で法案の問題点を浮き彫りにできたと考えていますか。

 山下 そうですね。日本を「海外で戦争する国」にするための、三つの大問題を浮き彫りにできたと思います。

 一つは、これまで行けなかった「戦闘地域」まで自衛隊を行かせて、米軍に武器を輸送する、弾薬を補給するなど、兵たんを行うことになります。そうすると、米軍の相手からすれば、(自衛隊は)攻撃の対象になります。攻撃されたらどうするのかとただしたら、安倍晋三首相は「武器を使用する」と認めました。そうしたら、相手も撃ち返してくる、これは戦闘になる、(海外での)武力行使になることは明らかです。

 もう一つは、PKO(国連平和維持活動)法の改定で、戦乱が続いている地域に自衛隊を送って、治安活動をさせることになります。これは生易しい活動ではありません。アフガニスタンでの治安部隊、ISAF(国際治安支援部隊)では各国から送られた若い兵士3500人が犠牲になりました。それから、住民とテロ勢力の見分けがつかなくて、治安部隊によって住民がたくさん殺害されるということも起こりました。こういう「殺し、殺される」活動に自衛隊を送ることを総理は否定しなかった。これは大問題です。それから、(三つめに)集団的自衛権の行使ですね。

いま必要なのは、9条の精神にたった平和の外交戦略

 ―政府・与党は、「安全保障環境が大きく変化したから、今の法案が必要なのだ」と強調していますが。

 山下 たしかに、日本の周辺には北朝鮮の核問題など、紛争の火種があります。しかし、こういう問題を戦争で解決することはできないし、絶対にやってはなりません。北朝鮮の核問題も、アメリカ、中国、ロシア、韓国など関係国が、北朝鮮を「6カ国協議」の枠組みに戻す外交努力をやっています。それしか解決の道はないからです。ですから、いま、日本に必要なのは、戦争の準備ではありません。憲法9条の精神にたった平和の外交戦略こそ大事だと思います。

 関連して、集団的自衛権の行使とは、日本に対して武力攻撃をしていない国に対して、日本が武力の行使をするということです。相手国から見れば、事実上、日本による先制攻撃となります。相手国が日本を攻撃する大義名分を与えることになる。

 朝鮮半島有事における米艦防護、これは日本から先に、北朝鮮を攻撃することになります。そうすれば、核兵器やミサイルを持っている国から攻撃対象にされる。これでは、日本の国民の安全を守るどころか、国民を危険にさらすことになるのではないでしょうか。

強行はもうさせない、国民のたたかい盛り上げて追い込んでいく

 ―共産党は参院の審議にどうのぞみますか。

 山下 衆院段階でも、国民の空前のたたかいの高揚に追い込まれて強行採決せざるを得なかったのだと思います。強行後も、若い人たちが国会の前で反対のコールを上げ続けていますから、参院ではいっそう国会論戦と国民の世論を高めて、安倍政権を追い込んで、必ず廃案を勝ち取りたい。

 それから法案というのは、条約や予算案と違って「自然成立」はありません。ですから、本当に法案を強行しようと思ったら、もう一度、参院で強行採決するか、衆院の3分の2の賛成で再可決するしかありません。そんなことはもう絶対にできないくらいの大きな国民のたたかいを盛り上げて、追い込んでいきたい。廃案を勝ち取りたいと思いますね。

強引な採決反対の一致点で野党5党は最後まで頑張る

 ―共産党は「60日ルール」については、使うことはまかりならないという立場ですね。

 山下 全く、まかりならないし、世論と運動で(60日ルールを)使えない状況にして、廃案に追い込んでいきたいと思います。

 ―民主党の枝野幸男幹事長が、安全保障政策について、野党間に考えの違いがあってもいい、全体として、国民の中に大きなうねりをつくることができれば、それが野党の力なのだと述べていました。この点についてはどうですか。

 山下 衆院段階では、各党の立場はいろいろありましたが、政府案の強引な採決には反対、この一致点で野党5党は最後まで頑張りました。これを参院でもいかしたいと思います。

 ―野党共闘は、これから先も続くという考えですか。

 山下 続くように頑張りたいですし、国民の世論がそういうことを、後押ししてくれると思っています。

 ―自民党側から、参院の審議で、与党側にもっと質問時間がほしいという発言がありましたが。

 山下 やはり政府が出した法案ですから、基本は野党が、国民の立場から問題点を追及すべきです。特に、国民の過半数が「憲法違反」だと感じている法案の問題点を徹底的に追及する必要があると思います。参院でもそれをしっかり保障していかなければならないと思います。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって