2015年7月20日(月)
砂吸いエンジン停止
米誌が報道 ハワイのオスプレイ墜落
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米オンライン軍事専門誌『ブレイキング・ディフェンス』は16日、米ハワイで5月17日に発生した米海兵隊垂直離着陸機MV22オスプレイの墜落事故について、エンジンが地上から巻き上げた砂を吸い込んで停止したことなどが原因だとした記事を掲載しました。
また、米軍内部ではエンジンの吸気口フィルターの改良を求める声が以前からあったものの、放置されていたと指摘。今回の事故を受けて改良される可能性はあるものの、2017年以降になるとの見通しを示しました。
ハワイで事故を起こした機体は、普天間基地(沖縄県宜野湾市)に配備されているものと同型機です。
記事によれば、経験を積んだ操縦士であれば、砂ぼこりの中でも10秒程度で着陸できますが、事故機は着陸前、45秒にわたってホバリング(空中静止)していました。その後、左エンジンが停止。残る右エンジンも砂を吸い込み、出力が低下したといいます。
従来の飛行規則は、砂ぼこりで視界不良となった状況下での着陸に関し、60秒以内に完了できないと判断した場合は中止するとしていました。海兵隊は事故を受け、これを30秒以内に短縮しました。
日米両政府は「機体の安全性に問題はない」として配備を継続するものとみられますが、オスプレイは高出力のエンジンを備えており、離着陸の際は地面に対して強い吹き降ろし(ダウンウォッシュ)を引き起こすため、エンジンが砂や泥、雪などを吸い込むリスクは、通常のヘリよりも高くなっています。従って、今回の事故はオスプレイの構造的欠陥に起因するものといわざるをえません。