2015年7月18日(土)
アベノミクス 自民議員潤す
株売却 26人
鳩山元法相・西川前農水相・船田憲法審査会筆頭理事…
「アベノミクス」で株価が上昇した2年間に、保有していた株を売却した自民党衆院議員が26人もいることが本紙の調べでわかりました。国会議員にはインサイダー情報も入ってくるため、閣僚や政務三役は株取引を自粛することになっていますが、一般の政治家もこれに準ずるべきだという声があがっています。
本紙調査
5月25日に衆院議員475人の2014年12月時点の資産が公開され、158人が株保有を報告していました。前回の資産公開は、第2次安倍内閣が発足した12年12月で、この二つの資産等報告書を比較すると、保有株の増減がわかります。
これによると、資産総額30億6520万円と断トツだった鳩山邦夫元法相(福岡6区)はじめ26人の自民党議員が株取引をしていました。
鳩山氏は、東芝86万4000株など、10銘柄593万4000株を保有していますが、前回に保有していた学習研究社3万3000株、NIPPOコーポレーション3万株、NTT60株をすべて売却しています。また、415万株持っていたブリヂストンを26万株、50万株あったマツダを20万株、それぞれ売却しました。一方で、みずからも運営に深く関わりがあると報じられた投資顧問会社「ユーロ・ジャパン・コーポレーション」の株を7500株から1万5000株に倍増しています。
同氏の前回の資産等報告書の提出日である13年3月25日と、第2次安倍内閣が発足した12年12月27日の株価で試算すると、株売却益は約2億8000万円にものぼります。
「政治とカネ」の問題で、ことし2月に閣僚を辞任した西川公也前農水相(比例北関東)は、家電量販の「ラオックス」8万株、情報通信の「SJI」901株、第一生命保険1株を売却。昨年12月時点で保有しているのは、政治資金で事務用品などを購入していたファミリー企業の「新西建材工業」20株のみです。
自民党憲法改正推進本部長で、衆院憲法審査会筆頭理事の船田元(はじめ)元経企庁長官(栃木1区)は、日清オイリオグループ4000株、三菱地所2379株、キリンホールディングス583株を売却しました。
清水建設、トヨタなど7銘柄を保有していたのは、元財務官僚で、戦争法案を審議してきた衆院安保法制特別委員会メンバーの木原誠二元外務政務官(東京20区)。このうち、帝人2000株、電気機器の「JVCケンウッド」100株を売却、新たに情報通信の「ジオネクスト」20株を取得していました。