2015年7月10日(金)
国民の安全対策こそ
ドローン法案 塩川議員が反対
衆院本会議可決
|
「小型無人機(ドローン)」を官邸周辺などで飛行禁止する法案が9日、衆院本会議で日本共産党、社民党を除く賛成多数で可決されました。同法案は、国会議事堂、官邸などをレッドゾーンに設定し、その区域で「小型無人機」の飛行を禁止し、懲役刑を含む刑罰で処罰するもの。
日本共産党の塩川鉄也議員は8日の内閣委員会で反対討論に立ち、「いま必要なのは、国民生活への具体的な被害に対応し、国民の安全対策の観点からのルールづくりだ」と主張しました。
同委員会での質問で塩川氏は、飛行による危険や被害の内容を問わず、規制対象が不明瞭な「小型無人機」を飛ばしただけで直ちに懲役刑をふくむ刑罰を科すことは「刑罰法規としての合理性を欠く」と批判しました。法案提出者の土屋正忠議員(自民党)は「(法案は)抑止効果として適切」と答え、官邸周辺の警備強化のために刑事罰規定を導入した法案であることがあらわになりました。
また、法案がレッドゾーンの周辺300メートルをイエローゾーンに設定し、この区域での警備強化が行われることについて、塩川氏は「国会・官邸周辺での国民の請願行動や集会等に影響を及ぼす可能性も否定できない」と指摘。日本民間放送連盟が憂慮を示していることにも触れ、国民の集会の自由、言論の自由、表現の自由が脅かされる懸念を表明しました。
土屋氏は「報道の自由は個別法で決めるものではない」などと答弁。国民の権利侵害についてはあいまいな答弁に終始しました。