2015年7月9日(木)
全事件・証拠開示こそ
刑事訴訟法改定案 参考人が指摘
衆院法務委で清水議員質問
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衆院法務委員会は8日、刑事訴訟法等改定案をめぐって身柄拘束のあり方や証拠開示制度について参考人質疑を行いました。この中で「安易に身体拘束を認める前近代的な実務になっている。あまりにも時代遅れだ。近代刑事司法の原則にのっとった法案に作り直すべきだ」(小池振一郎弁護士)、「無実の人が処罰されないために全事件、全証拠が被告人側に開示されるべきだ」(日弁連・宮村啓太司法改革調査室長)などの指摘が相次ぎました。
意見陳述で小池弁護士は、身体拘束を自白獲得の手段にする「人質司法」が招いた数々の冤罪事件を示し、被疑者・被告人が否認することを「罪証隠滅のおそれ」とみなして身柄拘束することを禁止する規定を設けるべきだと主張。また「冤罪防止の突破力になる」として証拠の全面開示制度の導入を説きました。
日本共産党の清水忠史議員が質疑に立ちました。「人質司法」をはじめ繰り返される冤罪の構造的な原因を問うと、参考人でジャーナリストの江川紹子氏は「透明性の欠落。裁判所の判断について検証する機会を増やす必要がある」と述べました。
身柄拘留しないと「罪証隠滅」「逃亡」が増えるのかとの清水氏の問いに、小池弁護士は、起訴前保釈を増やした韓国を引き合いに「治安が乱れたという話は聞いたことがない」と強調しました。