2015年7月7日(火)
ギリシャ 大差で「緊縮拒否」
国民投票 首相「尊厳と決意示した」
【パリ=島崎桂】ギリシャで5日、国民投票が実施され、同国への金融支援再開の条件として、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)など債権団側が求める緊縮政策の受け入れに、反対が多数となりました。膨大な失業と貧困を生み、国民生活を破壊してきた緊縮策に対するギリシャ国民の怒りが改めて示されました。
公式結果によると、61・31%が緊縮受け入れに反対。賛成は38・69%にとどまりました。事前の各種世論調査では、賛否の拮抗(きっこう)が伝えられていましたが、予想外の大差となりました。
債権団側は投票を前に、緊縮拒否は「欧州への拒否」であり、圧倒的多数のギリシャ国民が残留を望んでいる「ユーロ圏からの離脱」につながるなどと危機感を煽(あお)り、賛成票を投じるよう呼び掛けていました。
一貫して緊縮拒否を訴えてきたギリシャのチプラス首相は同日、結果を受けて声明を発表し、国民は「尊厳と決意」を示したと強調。「われわれが欧州にとどまるだけでなく、尊厳を持って欧州で生きていく決意だという強いメッセージを送るものだ」と述べました。
7日には、今後の対応を協議するためユーロ圏首脳会議が開かれるほか、週内にはユーロ圏財務相会合(ユーログループ)も予定されています。