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2015年7月3日(金)

国交回復と大使館再開 正式に発表

米国 「協力の新しい道を見つける」

キューバ 経済封鎖解除と基地返還を

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 【ワシントン=島田峰隆】米国とキューバの両政府は1日、国交を回復し、相互に大使館を再開することで合意したと正式に発表しました。米国がキューバ革命政権を敵視して1961年に一方的に国交を断絶して以来の歴史的な合意です。

 オバマ米大統領は1日、ホワイトハウスで声明を読み上げ、国交回復と大使館再開を発表。「対キューバ関係正常化の歴史的一歩だ。米州の近隣諸国との新しい章を切り開くものだ」と強調しました。「キューバを孤立させる努力が逆効果を生み、米州の近隣諸国のなかで米国を孤立させた」と方針の破綻を認め、テロ対策や災害対応などで「キューバと協力する新しい道を見つける」と述べました。

 キューバ外務省も同日の声明で国交回復と大使館再開を明らかにしました。声明は「両国が国連憲章や国際法の原則と目的に基づいて、尊重した協力関係を発展させる意図を確認した」としています。

 これに先立って、オバマ氏とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長は、国交回復と大使館再開を確認する親書を、ワシントンとハバナのそれぞれの利益代表部を通じて交換しました。

 オバマ氏は、ハバナでの米大使館再開の式典にケリー国務長官が出席することを明らかにしました。キューバ外務省によると、両国は7月20日から大使館を相互に再開します。ワシントンでのキューバ大使館再開の式典にはロドリゲス外相が出席するといいます。

 オバマ氏は昨年12月にキューバとの国交正常化方針を打ち出した際、大使館再開を当面の目標としていました。半年間の交渉を経て実現したものの、本格的な国交正常化へは課題が多くあります。

 キューバ外務省の声明は「外交関係の再確立と大使館再開は、関係正常化に向けた長く複雑な過程の第一段階だ」と指摘しています。

 声明は、主権の平等、政治経済制度を選ぶ権利、内政不干渉などの原則の重要性に触れ、▽米国が半世紀以上続ける対キューバ経済封鎖の解除▽キューバにあるグアンタナモ米軍基地の返還▽“民主化”を促すとして米国が行うキューバ向けラジオ・テレビ放送の中止―を求めました。

 経済封鎖の解除には米議会の承認が必要です。オバマ氏は1日、議会に解除を再度求めましたが、野党共和党が多数を占めるもとで解除の見通しは立っていません。米政権はグアンタナモ基地の返還には応じない姿勢で、正常化を妨げる一因になっています。


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