2015年7月2日(木)
二つの「閣議決定」強行から1年
「戦争する国」に国民反撃
2014年7月1日に安倍政権が日本を「戦争する国」につくり替える二つの「閣議決定」を強行してから、1日で1年を迎えました。安倍政権の戦後最悪といえる反動性、対米従属性がむき出しになるとともに、多くの国民が目覚め、平和や民主主義を自らの行動で守ろうと立ち上がった1年でした。 (竹下岳)
二つの「閣議決定」は、いずれも日米同盟強化の一環であり、日本の若者の血を、そして日本の国土や美しい海を、米国にささげるためのものです。
9条破壊 反対世論が増大
一つは、海外での武力行使につながる集団的自衛権の行使容認を柱とする「閣議決定」です。現在、国会で審議されている戦争法案は、これに基づいています。
安倍政権は、憲法9条を改悪し、海外での米国の戦争に公然と参加することを戦略目標に掲げています。ただ、国民世論の前に改憲発議が困難なため、当面は政府の憲法解釈を変え、9条を骨抜きにすることで突破口を開こうという狙いです。
昨年5月から1年におよんだ与党協議は粛々と進み、法案も数の力で8月上旬までに成立させる狙いでした。しかし、審議が進むたびに反対世論が増大。圧倒的多数の憲法学者、元内閣法制局長官、元防衛官僚、元自民党幹事長らも声を上げ、街頭では毎週のように、若者や女性たちが声を上げる状況がつくられました。
辺野古新基地 掘削調査延長
もう一つは、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を進めるための臨時制限区域の設定です。現在、この区域は海上保安庁が暴力的に市民の立ち入りを阻止し、工事の一環である海底掘削(ボーリング)調査が強行されています。
日米両政府は調査を昨年秋までに終え、今年前半には本体工事に着工する計画で合意していました。
しかし、自民党県連幹部だった翁長雄志氏が「辺野古に基地は造らせない」と訴え、昨年11月の県知事選で圧勝しました。辺野古周辺でも、住民・市民が妨害に屈せず、昨年7月以降、24時間体制の座り込みを継続。天候などもあり、掘削調査を9月末まで遅らせています。
6月25日の自民党の勉強会で、報道の自由侵害、沖縄県民侮辱発言が相次いだ問題は、二つの「閣議決定」に対する国民の反撃が安倍政権を追い詰め、いらだたせていることを示しました。
安倍政権の強権ぶりは軽視できませんが、たたかいは確実に前進しています。
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