2015年6月29日(月)
タイ 学生14人 軍事裁判へ
軍政批判弾圧 メディア締め付けも
タイ治安当局は26日、軍事政権に抗議する集会を開いた学生14人を逮捕しました。「社会秩序を乱した」容疑で、軍事裁判所に回付されます。このほか軍政当局は今週、国内報道機関の代表と外国特派員を集めて取材・報道の“指針”を伝達し、メディアへの締め付けも強化する構え。軍政批判への弾圧が激しさを増しています。
学生14人は24日からバンコク中心部で民政移管を求める集会を開いていました。軍事裁判所で有罪になれば、最高で禁錮7年となる可能性があります。
このほかにも軍政当局は27日、バンコクの大学生グループが予定していた憲法草案についてのパネルディスカッションを中止させています。
人権活動家のスナイ氏は現地メディアに、「弾圧の激しさが深刻さを増している。タイを待ち受けているのは独裁政治だ」と非難しました。
軍政の最高権力機関「国家平和秩序評議会」(NCPO)でメディア担当を務めるスチャート陸軍中将は23日、報道機関の代表約200人を近日中に国家警察本部に呼び出して会合を開く予定だと発表しました。
会合で伝達される予定の“指針”の内容は、クーデターの首謀者であるプラユット暫定首相に対して「建設的な質問」を行うことや、「事実をゆがめない報道」をすることだといいます。
スチャート氏は現地記者団に対して、「プラユット首相は全ての新聞の全てのページ、全てのコラムに目を通している」と発言。プラユット暫定首相も24日、現地記者団を前に「君たちは毎日、私を攻撃している。全ての新聞が私を攻撃する」とメディア批判を展開し、「君たちの振る舞いと考え方を変えるべき時が来た」と脅迫めいた言動を繰り返しました。(面川誠)