2015年6月25日(木)
協力発展 米中再確認
戦略・経済対話始まる
「南シナ海」協議
【ワシントン=島田峰隆】米国と中国が安全保障や経済など幅広い問題を話し合う米中戦略・経済対話が23日、ワシントン市内で始まりました。24日までの日程です。開幕式であいさつした両国閣僚らは、意見の違いが両国関係を阻害してはならないとして、対話を通じて協力関係を発展させることを再確認しました。
米高官によると、初日は気候変動や開発協力のほか、サイバー問題、南シナ海問題、通貨や貿易・投資問題などを話し合いました。
バイデン米副大統領は開幕式で、両国が経済をはじめさまざまな面で相互依存を強めていることを指摘。「合致する点では協力することによって、また意見の違いがある点では率直に建設的に対話することによってお互いに利益を得る」とし、中国と「建設的で生産的な連携」を強める姿勢を強調しました。
中国の劉延東副首相は「複雑な国際情勢のもとで両国は協力すべきだ」「お互いの中核的利益を尊重し、誤解や誤算を減らす建設的な立場をとるなら、意見の違いに対処し、共通の利益を守ることができる」と述べました。
米高官によると、中国による南シナ海での岩礁埋め立て問題について、ケリー米国務長官は懸念を伝え、関係国と外交を通じて解決するよう促しました。
バイデン氏は開幕式で「海上交通路が開かれ、守られることは、ますます重要になっている。外交を放棄して強制や脅迫を使ったり、他国の侵略に目をつぶったりすることは不安定化をもたらし、国際社会の目標を台無しにする」と中国をけん制しました。
中国の楊潔篪(ようけつち)国務委員は「両国の経済関係や世界経済は世界各地で航行の自由によって利益を得られる。中国は世界で航行の自由を守る」と答えました。