2015年6月23日(火)
日米特殊部隊が共同訓練 オスプレイ横田配備で可能に
田村氏に防衛相答弁 参院決算委
中谷元・防衛相は22日の参院決算委員会で、米空軍横田基地(東京都)への特殊作戦機CV22オスプレイの配備に伴い、沖縄に駐留する米特殊部隊に加え、自衛隊の特殊部隊との日米共同訓練が可能になるとの見方を示しました。質問に立った日本共産党の田村智子議員は「驚くような答弁だ。まさに米軍の軍事作戦の中枢に自衛隊を組み入れていくことになる」と批判し、配備撤回を迫りました。
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特殊部隊は、米軍には陸軍第1特殊部隊群(沖縄・トリイステーション)や空軍第353特殊作戦群(同・嘉手納基地)が、自衛隊には陸自特殊作戦群(千葉・習志野駐屯地)などが存在しています。
田村氏は、CV22が輸送する米軍の特殊部隊が国境も国際法もお構いなく他国に侵入し、テロリストなどの暗殺や要人拘束などの軍事作戦遂行を主任務としていることを指摘しました。中谷防衛相は「通常部隊ではアクセス困難な地域に迅速・隠密裏に進出し、情報収集するほかテロの脅威への対処などを行う」と認めました。
また、田村氏は、米空軍が指示文書「CV22の作戦手順」(12日付)の中で、「回避行動訓練」として高度約30メートル(100フィート)の低空飛行訓練の実施を明記していることを示し、「危険な訓練が日本全国でやりたい放題になる」と追及しました。中谷防衛相はこれを明確に否定せず、「特殊部隊との訓練のため、沖縄に飛来することはありうる。日本全体に(訓練を)分散していく」と明言しました。
田村氏は、横田基地周辺だけでなく、沖縄県の読谷村議会からも沖縄飛来を懸念して配備見直しの意見書があがっていることをあげ、「これのどこが基地負担の軽減なのか」と批判しました。
さらに、米軍普天間基地(沖縄県)の航空安全担当官が日米間のオスプレイ運用ルールを軽視する発言(10日)をしていることも示し、抗議すべきだと迫りました。
岸田文雄外相は「発言を『再確認』した」と述べるだけで、抗議すらしていないことが発覚。田村氏は「戦争法案を先取りした態勢づくりになる。絶対に許されない」と強調しました。