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2015年6月21日(日)

ネパール地震 「農家100万人食糧不足」

国連が緊急支援24億円訴え

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(写真)崩れた自宅跡に張ったビニールシートの下でウシの世話をする農家の女性=5月23日、ネパール中部シンドゥパルチョク郡(安川崇撮影)

 【ニューデリー=安川崇】国連の食糧農業機関(FAO)は19日、震災の被害を受けたネパールの農家100万人が長期的な食糧不足に直面する恐れがあるとして、種や肥料など2000万ドル(約24億円)分の緊急支援が必要だとする声明を発表しました。専門家は家畜への被害による農村経済への悪影響も懸念します。

 震災による農家への影響を調査したFAOは、被害が大きかった6郡で、半数の農家がコメやトウモロコシ、小麦などの備蓄をほとんど失ったと指摘。農具や肥料、小規模かんがい設備も破壊されたとしています。

 農家は今月にも本格化する雨期の前に作物の植え付けをする必要があります。声明は「緊急に必要なのは種と肥料。その後にかんがいや農具が求められる」としています。

 被災地では多くの農家が自宅を失い、トタンやビニールシートの下で暮らしています。FAOによるとウシや鶏などの家畜16〜36%が死亡。生存した家畜も屋根のない状態で飼われているケースが多いといいます。

 農村支援NGO「農村再建ネパール」のモティ・タパ共同体開発計画チーム代表は取材に、「農家にとって家畜は主要な現金収入源だが、支援が不十分な現状では人間優先となり、十分な世話ができない。雨期に入って家畜の健康状態が悪化すれば、農業の再興はさらに遅れる」と警告します。

 FAOネパール代表は声明で「ネパール人の3分の2は農業で生計を立てている。この分野の復興が死活的に重要だ」と語っています。


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