2015年6月18日(木)
選挙制度政府案を審議開始
香港 学生・市民の抗議のなか
「真の普通選挙」民主派は要求
【北京=小林拓也】香港立法会(議会)は17日、政府提出の政治改革案の審議を始めました。政府案は、2017年の香港行政長官選挙を1人1票の「普通選挙」で実施するというもの。しかし候補者を各界代表から成る「指名委員会」(1200人)の過半数の支持を得た2〜3人に絞るという内容になっており、香港の民主派が撤回を求めています。
政府案に反対する学生や市民らは14日に3500人が参加した抗議デモを実施した後、立法会前で連日、抗議行動を続けています。17日は政府案に反対する民主派グループと支持するいわゆる親中派グループが、それぞれ立法会前で集会を開きました。
審議に出席した香港政府ナンバー2の林鄭月娥政務官は「現在の政府案は最も良いものであり、成立の機会が最も大きい」と政府案への賛成を訴えました。また、集会をしている市民らに理性的・平和的に行動するよう呼びかけました。
審議では、議員が1人15分以内の時間で意見を表明。議場内で民主派議員らは「真の普通選挙が必要だ」などと書かれたプラカードを掲げ、政府案への反対をアピールしました。
香港当局は、急進派の議会突入を抑えることを理由に、立法会周辺だけでなく、立法会内にも警官を配備。警官は警棒や催涙スプレーを装備しているといいます。衝突などが起きる前から警官を立法会内に入れるのは異例の措置です。
政府案は早ければ18日にも採決される見込み。可決のためには定数70のうち3分の2以上の賛成が必要。しかし、反対を表明している民主派議員が3分の1を超える27議席を占めており、否決の可能性が高まっています。