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2015年6月16日(火)

NHK「日曜討論」小池政策委員長の発言

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 日本共産党の小池晃政策委員長は14日のNHK日曜討論で、戦争法案と年金情報流出問題について与野党の政策責任者と議論しました。


  最初に、衆院憲法審査会(4日)で参考人の憲法学者3氏全員が戦争法案を「違憲」としたことについて問われました。自民党の高村正彦副総裁は「相当影響はある」と述べつつ、「憲法の番人は最高裁だ。必要な自衛の措置は何かということは国会と内閣に委ねられている」と述べました。民主党の長妻昭代表代行は、政府・与党が戦争法案「合憲」の根拠として持ち出した最高裁砂川判決(1959年)について「曲解していると言わざるを得ない。集団的自衛権が日本にあるとは言っていない」と批判しました。

 小池氏は次のように述べました。

戦争法案

憲法上の根拠は土台から崩れた

 小池 憲法審査会で3名の方の「違憲」表明ももちろんのことですが、200人を超える憲法研究者が「これは違憲だ」「廃案だ」とおっしゃっている。今回の法案の憲法上の根拠は土台から崩れたと思っています。

 高村さんは、自衛のための措置を考えるのは政治家だとおっしゃったが、その政治家が「自存自衛の戦争」だといって、あの侵略戦争に突き進んだ歴史に対する反省が感じられない。立憲主義というのは、政治家が何でも勝手に決めるのではなく、憲法によって拘束されるわけで、それが立憲主義です。自民党は、これまで自分たちが知恵を借りてきたような憲法学者の声にも耳を傾けようともしない。これはあまりに傲慢(ごうまん)で、あまりに危険な態度だと思います。こういった声をしっかり受け止めて、われわれは(法案は)違憲であるということをしっかり国会でも議論していきたいと思います。

砂川判決はわが国の集団的自衛権に触れていない

 司会者から、砂川判決以後も1972年の政府見解が集団的自衛権の行使を「憲法上許されない」としてきたことを指摘され、高村氏は「砂川判決は個別(的自衛権)も集団(的自衛権)も言っていない。集団が当然あるとかいっていないのはその通りだが、集団は排除していない」と強弁しました。司会者は「苦肉の策」で砂川判決を出してきたようにみえると述べました。公明党の石井啓一政調会長は「現在の安全保障環境に(72年見解の)基本的論理をあてはめた」と発言しました。

 小池氏はこう述べました。

 小池 「安全保障環境が変化した」ことで憲法解釈が変わっていったら、これは時の政権の思うまま、立憲主義の否定になる。そもそも、(昨年)7月の「閣議決定」は砂川判決を使わず、72年見解でやったわけです。しかし、72年見解は、結論は集団的自衛権行使できない(ということ)です。だから、あまりにも無理があるということでもたなくなったから、もう一度砂川判決を持ち出した。しかし、これは米軍駐留が憲法9条に違反するかどうかの判決ですから、わが国の集団的自衛権のあり方には触れてない。先ほど高村さんも「集団的自衛権とは言っていない」と認めたし、判決の、いわば傍論部分(判決理由を構成しない部分)であるということもお認めになった。

 何よりも、この判決が出てから54年間、政府は集団的自衛権行使できないと言い続けてきた。それを今になって、あの判決は集団的自衛権の行使も容認しているという、こんな材料しか結局持ち出せないところに、「憲法解釈の変更」のでたらめさがはっきり出ています。

 高村氏が「法案には集団的自衛権とは書いていない。ただ、われわれは集団的自衛権だと思っている」と語ったのに対し、小池氏が「砂川判決はわが国の集団的自衛権には触れていないですよね」と問い詰めると、高村氏は「個別も集団も触れていない。自衛権一般に触れている」と認めました。

「おかしい」という世論は当然。廃案にするしかない

 戦争法案に関して、政府が国会審議の中で「十分に説明している」が7%なのに対し「十分に説明していない」が56%と圧倒的多数で、今国会での成立についても反対37%が賛成18%を大きく上回ったNHK世論調査(6月)が示されました。高村氏は「説明したいが、(野党が)審議に十分応じていただけない」と野党に責任転嫁しました。公明党の石井氏は「安全保障の問題だから専門用語が多くて考え方も難しい」と弁明しました。

 小池氏は反論しました。

 小池 専門用語が多いから分からないのではない。今の憲法は、武力による威嚇や武力行使を放棄するだけではなく、戦力の保持も交戦権も否認しているのだから、集団的自衛権の行使ができるわけがないんです。

 「限定」しているといっても、どこをどう「限定」しているのか全く分からない。(政府・与党の説明を)聞けば聞くほど、これは“無限定”ですよ。安全保障環境がどう変化したんですかと国会で聞いても、まともに答えられない。他国が攻撃されたことで国の存立が脅かされるというのは、世界のどこかで今まで起こったんですか(ということも)答えられない。国民の中で「おかしい」「非常に説明も無責任だ」という声、批判が広がっているのは当然です。会期延長はとんでもない話です。この国会で成立させるなど、絶対に許してはいけないし、国民の疑問にしっかり応える議論を私たちはやっていきたい。この法案は憲法違反ですから廃案にするしかないと思います。

年金情報流出

社保庁改革検証しマイナンバー制度は中止を

 最後に、日本年金機構から125万件の個人情報が流出した問題が問われました。高村氏は「機構も厚労省も弁護する余地はない、しっかり対策していく」と述べました。小池氏は次のように指摘しました。

 小池 年金機構、厚労省の責任は明確ですから、徹底的に解明しなければならない。二次被害が出ないようにするのは与野党を超えた課題だと思います。

 日本年金機構が社保庁改革でできるときに、私たちは個人情報保護は大丈夫なのかと指摘しました。例えば非正規雇用が5割を超え、外注事業が大事な業務でも増えていることも含めて、社保庁改革に対する徹底した検証が必要です。

 もう一つは、マイナンバー(共通番号)制度です。マイナンバー(の下で情報漏れ)になったら、所得税、住民税、医療保険料、銀行預金口座、メタボ検診のデータと(被害は今回の)比じゃないですよ。政府は、システムが違うから大丈夫だというけれど、年金も「大丈夫だ」「遮断されています」といったものが漏れたわけです。そもそも共産党は、このマイナンバー制度について、プライバシーの問題だけでなくて、社会保障費の削減目的だから反対といってきましたが、少なくとも10月1日からの個人通知、そして来年1月からの実施は中止すべきだと思います。

 高村氏は、マイナンバーの運用開始について「予定通り準備を進めたいが、特に年金への活用については、ある程度国民が納得することなしに強引にやることは難しい」と語りました。


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