2015年6月12日(金)
EU、対キューバ改善決意
欧州・中南米サミット
コロンビア和平支援も
【パリ=島崎桂】欧州連合(EU)と中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)の首脳会議が10、11の両日、ブリュッセルで開かれました。EUは、キューバとの関係改善の交渉を進展させる決意を強調。コロンビアについては、反政府武装集団コロンビア革命軍(FARC)の武装解除に向けた同国政府への支援を表明しました。
会議には計61カ国(欧州28カ国、中南米33カ国)の首脳らが出席。「共通の未来」をテーマに、両地域の政治、経済面での関係強化について協議しました。
EUや米国との関係改善交渉が進むキューバについて、EUのトゥスク大統領は、「キューバの近代化に向けた過程を支持し、政治的対話や協力に向けた交渉の妥結を求める」と述べました。
EUはこのほか、コロンビア政府とFARCの和平交渉成功を条件に、FARCの武装解除を支援する基金の創設を決めました。ただ、コロンビアでは先月、同国軍が対FARC空爆を再開し、FARCも一方的停戦の撤回を表明するなど、緊張が高まっています。
CELACの議長国を務めるエクアドルのコレア大統領は開幕にあたり、米政府による対ベネズエラ制裁を批判。「(制裁は)愚かな主張に基づいており、明らかな国際法違反だ」と述べ、制裁解除を求めました。
オバマ米大統領は今年3月、ベネズエラで昨年発生した反政府デモ隊の死亡事件や野党幹部の逮捕・拘束が人権侵害にあたるとして、同国高官らを対象に資産凍結や渡航禁止を科す大統領令を発令していました。
会議ではこのほか、コロンビアとペルーに対し、移動の自由を定めたシェンゲン条約に加盟する欧州26カ国へのビザ(査証)なしでの渡航(90日以内)を認めることで合意。年内に正式に調印される見通しです。