2015年6月12日(金)
憲法解釈変更理由の安保環境
具体的説明できず
井上氏に防衛相
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日本共産党の井上哲士議員は11日の参院外交防衛委員会で、歴代政府が違憲と解釈してきた集団的自衛権行使を合憲へと変更した理由に安倍政権があげている「安全保障環境の変化」とは何かと質問。中谷元・防衛相は「グローバルなパワーバランスの変化」など、抽象的な説明に終始しました。
井上氏は、政府が集団的自衛権行使による海外派兵の唯一の具体例とする中東・ホルムズ海峡の機雷封鎖をめぐり、これが日本の存立を脅かすと判断するに至った「安全保障環境の変化」とは何かと追及しました。
中谷氏は、「中東地域でもISILの勢力拡大や大量破壊兵器の拡散の懸念、イエメン情勢の混乱など安全保障環境はますます厳しさを増している」と説明しました。
井上氏は、集団的自衛権は行使できないとした1972年の政府見解当時の吉国内閣法制局長官が、「非常に緊密な関係にあってもその他国が侵されている状況は、わが国の国民が苦しんでいるとこまでは行かない」と答弁したことを指摘。中東の事態が日本の存立を脅かすと認識を変えたのか質問しました。
中谷氏は、湾岸戦争時に機雷掃海に長期間要したなどと説明。井上氏は、「まともな説明は何もない。『安全保障環境の変化』だけ振りかざして憲法解釈を百八十度変えることは立憲主義に反する」と強調しました。