2015年6月8日(月)
国境「飛び地」を交換
インドとバングラ確認
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【ニューデリー=安川崇】インドのモディ首相は6日、バングラデシュの首都ダッカで同国のハシナ首相と会談し、国境付近に散在する飛び地を交換することを最終的に確認しました。英国植民地からの独立以来の懸念が解決に向かいます。
飛び地はインド側に51カ所、バングラデシュ側に111カ所あります。約5万人とみられる住民は交換後、国籍を変えるか、居住地を変えるかを選ぶことができます。
飛び地は17世紀ごろのムガル帝国と小藩王国との境界争いに端を発し、1947年の英国からの分離独立でインド・パキスタンに分かれて帰属。71年に当時の東パキスタンがバングラデシュとして独立したため、同国とインドとの間の問題となりました。
飛び地では電気などのインフラ整備や開発援助が実施されず、住民が「自国」と自由に行き来できないなどの問題が指摘されています。両国は74年に飛び地の交換でいったん合意しましたが、国内の反対などで難航していました。
2011年にインドのシン前首相がダッカを訪問した際、飛び地交換の議定書に調印。その後、両国議会が承認し、今回の最終確認にたどり着きました。
今回の訪問ではインド東部コルカタとバングラデシュの首都ダッカ、さらにダッカとインド北東部アガルタラを結ぶ国境バスの開通式も行われ、人的交流を活発化させる姿勢を打ち出しました。インド側による発電所開発などのエネルギー支援でも合意しました。
一方、別の懸念事項であるティスタ川など共通河川の水利問題では合意はありませんでした。