2015年6月8日(月)
途上国 水銀使用今も
水俣繰り返さぬ 市田氏提起
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日本共産党の市田忠義議員は4日の参院環境委員会で、水銀による環境汚染の防止対策について、水俣病を経験した国にふさわしいのかと政府の姿勢をただしました。
市田氏は、現在も開発途上国での小規模金採掘に水銀が使われ、“水俣の悲劇”が再び起ころうとしていると指摘。「被害をくり返さないためには、これらの国に“危険”を輸出しないことが大事だ」と主張しました。望月義夫環境相は、原則禁止だが、例外的に輸出を認めていると答弁しました。
市田氏は、水銀の排出規制対象となっている石炭火力発電所の増設・輸出は、水銀対策という点でも二酸化炭素削減という点でも世界の流れに逆行していることだとただしました。望月環境相も「新増設に懸念を持っている」と述べました。
市田氏は、水銀排出量が4分の1を占める鉄鋼製造施設を規制対象外にしていることを批判。国際競争力を理由に「規制から外せ」という日本鉄鋼連盟の意見書を示しながら、「産業界の理不尽な要望に屈するな」と指摘し、企業の自主的取り組みではなく社会的規制が必要だと提起しました。望月環境相も「重要な指摘だ。われわれもしっかりとこのことに取り組んでいかなくてはいけない」と述べました。