2015年6月7日(日)
長江転覆 死者396人に
中国
【北京=小林拓也】中国内陸の湖北省の長江で456人を乗せた大型客船「東方之星」が転覆した事故で、6日午後までに死者が396人となりました。残る行方不明者は46人で、生存者は14人にとどまっています。
中国当局は5日夜からクレーン船でひき上げた船体内の捜索を始めました。船内捜索で多くの犠牲者を発見する結果となりました。犠牲者の多くは、突風で突然転覆した船内から逃げることができなかったとみられます。船内の4階では、乗客の中で最年少の3歳の女児の遺体が発見されました。
当局は行方不明者の捜索の範囲を長江下流の上海まで広げて、遺体の捜索に全力を挙げています。
一方、1200人以上の乗客の家族が現場近くの湖北省荊州市監利県に集まっています。ただ、当局が家族を現場に近づけない措置をとり、情報を公開しないため、家族の不満が高まっています。5日には記者会見場に家族が押し寄せ、中国政府に真実を公開するよう抗議する場面がありました。
5日夜には、「東方之星」を運航していた重慶市の国有企業の代表が中国メディアの前で謝罪しました。