2015年6月4日(木)
長江転覆 行方不明416人
26人死亡、14人救出
【監利(中国湖北省荊州市)=小林拓也】中国中部を流れる長江で、乗客乗員456人を乗せた大型客船「東方之星」が転覆した事故で、発生から40時間以上たった3日夕時点でも、いまだ416人が行方不明のままです。3日夜までに14人が救出され、26人の死亡が確認されました。
転覆現場周辺は当局によって封鎖され、家族も長江流域に近づくことができません。小雨が降る中、地元の人や乗客の家族らが現場に入ることを求めていましたが、当局は受け付けませんでした。
妹の夫が「東方之星」の船員をしていたという重慶市から来た50代の女性も現場に入れず。「何の情報もない。本当に心配だ。なぜ現場に入れないのか」と憤りました。現場では救助活動が長引き、家族らの不満が高まっています。
午後3時ごろ、10台以上の救急車が事故現場方向に走っていきました。中国メディアによると、ちょうどその時刻に、転覆した船を切断し、乗客らを救出する作業が始まりました。
救助が困難を極めている原因は、現場で雨が降り続き、長江の水がにごっていること。また水面に薄い霧がかかり、風と波も高いといいます。
現場で指揮をとる李克強首相は3日午前に犠牲者に黙とう。救助に全力を挙げると同時に、乗客らの家族を慰労する仕事にも力を入れるよう指示しました。