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2015年6月2日(火)

南シナ海 共同パトロール提案

軍事衝突の防止へ

インドネシア国防相

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 インドネシアのリャミザルド国防相は5月30日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議で講演し、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国と中国などが南シナ海で「平和的な目的の共同パトロール」を実施することを提案しました。偶発的な軍事衝突を防止することが目的です。(面川誠)


 南シナ海の島しょをめぐっては、ASEAN加盟国のうちフィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイの4カ国と中国が、一部あるいは全域の領有権を主張。中国は最近、岩礁埋め立てと人工島の建設を加速させています。

 リャミザルド氏は共同平和パトロールについて、「われわれが共通して直面している現実の脅威と課題の解決策を見いだす」ための一環であり、「地域の平和と安定を促進するために重要かつ不可欠のものだ」と強調しました。

 ASEANと中国が2002年に合意した南シナ海行動宣言(DOC)は、「武力による威嚇と武力の行使によらない紛争解決」「紛争を複雑化させ、激化させる行動の自制」を明記しています。ASEANと中国は13年から、DOCの内容に法的拘束力を持たせる南シナ海行動規範(COC)締結に向けた公式協議に入りましたが、目立った進展はありません。

 このためASEANは昨年8月、軍事衝突の防止を最優先の目標として、COC全体の締結を待たずに合意できた部分から「先行実施」する方法を追求することを決めました。共同平和パトロールは、「先行実施」を具体化するための提案です。

 一方、中国人民解放軍の孫建国副総参謀長は31日にアジア安保会議で講演し、岩礁埋め立てや施設建設の理由について、海難救助、気象観測、漁業支援などに加えて「防衛上の必要な軍事的要請」を明言。南シナ海での軍事活動を強化する姿勢を見せました。

 リャミザルド氏は同日、孫副総参謀長と会談し、「南シナ海の平和と安定のために、意思疎通と協力を強化する」必要性を訴えました。


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