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2015年5月28日(木)

南シナ海埋め立て

米 人工島近く艦船派遣へ

中 猛反発「不測事態招く」

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 南シナ海で中国が進める岩礁埋め立てをめぐり、米国との対立が先鋭化しています。米国防総省は21日、「航行の自由」を理由に、中国が造成した人工島の12カイリ(約22キロ)以内に米軍機や艦船を進入させると表明。一方の中国外務省は25日、「不測の事態を招く」と批判しています。 (面川誠)


 米国の狙いは、国際法上の領海となる12カイリ以内に進入することによって、中国の領有権主張を否定することにあります。米国務省のラスキ報道部長は26日、「国際法の下では埋め立てによって海洋の区域を変更できない」と指摘。人工島の造成が領有権主張の根拠にならないとの立場を改めて表明しました。

 国防総省のウォレン報道部長も同日、「われわれの航空機や艦船は公空、公海で行動している。これは航行の自由を支持し、守るための作戦の一部だ」と述べ、軍事力の活用を改めて強調しました。

 一方の中国側は、外務省の華春瑩・副報道局長が25日、米軍機による偵察活動について「誤った判断を引き起こし、不測の事態を誘発する。極めて危険で無責任」と批判。26日に発表された国防白書は、米国が南シナ海問題に「積極介入」していると批判し、「海上での軍事衝突に備える」と明記しました。

 オバマ政権は南シナ海での「航行の自由」を訴える際に、海上貿易のうち重量ベースで50%が南シナ海を経由することなど経済的な理由を挙げ、米国を含めたアジア・太平洋諸国の国益にとって死活的だと訴えてきました。

 今回、軍事力の活用を公言したことで、オバマ政権が進めるアジア重視の戦略的リバランス(再均衡)の軍事的側面が強く表れました。日本の外交関係者も「米国のいう『航行の自由』とは、米軍の活動の自由のことだ」と語ります。

 オバマ政権は2012年に米上院に国連海洋法条約(UNCLOS)の批准を求めた際、「米国は海洋大国として、同条約が定める航行の自由から利益を得る」「米軍は国家安保上の利益から、同条約を一貫して明確に支持してきた」と明言しています。


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