2015年5月16日(土)
ドイツ 病休中も最低賃金適用
連邦労働裁判所が判決
【ベルリン=片岡正明】ドイツのエアフルトにある連邦労働裁判所は13日、職業教育訓練学校の職員が提訴していた病気休養期間中の給与支払いについて、経営側は今年1月から施行された最低賃金法にのっとった最低賃金を支払わなければならないとの判決を出しました。最低賃金が病気休養中も支払われることになり、画期的な判決として注目されています。
判決に基づく病気休養中の最低賃金支払いは、職業教育訓練学校に働く2万2000人に適用されます。最低賃金の支払いは、病気の時に健康保険から支払われる傷病手当金とは別に経営側が負担します。ただし、業種別に労働協約で決まっている最低賃金ではなく、全国一律の法定最低賃金としての8・5ユーロ(約1160円)が適用されます。
連邦労働裁判所の裁判官は「同様の問題が裁判で訴えられることになるだろう」として、ドイツの職業全般での将来の適用を示唆しました。
統一産業サービス労組(ベルディ)のイェヘル氏は、職業教育訓練学校の労働協約に基づく最低賃金12・6ユーロは下回ったものの、「病気休養の時にも最低賃金8・5ユーロが適用されることになるという明確な方向が示された」と評価しました。