2015年5月16日(土)
中印首脳が会談 経済協力拡大で一致
国境問題 “解決へ努力”
【北京=小林拓也】14〜16日の日程で訪中しているインドのモディ首相は、中国の習近平国家主席や李克強首相らと会談しました。両国の経済戦略の一致点を探るなど、経済協力を拡大することで合意。国境問題で具体的な進展はなかったものの、解決に向けて努力していくことを確認しました。
モディ首相と習主席は14日に陝西省西安で会談しました。習主席は、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)や「一帯一路」(シルクロード経済圏)構想での協力を要請。モディ首相は「AIIBは、地域の経済と社会の発展に重要な役割を発揮すると信じている」と評価し、中国と密接に協力すると述べました。
習主席は、両国関係について、(1)国際・地域問題で戦略的協力を強化し、中国の「一帯一路」構想とインドの「アクト・イースト(東方重視)政策」の一致点を探る(2)世界経済の成長に貢献し、地域経済統合プロセスを推進する(3)相互信頼の増進に努力する(4)各界の交流を強める―の4点を提起しました。
この中で習主席は、国境問題などを念頭に「意見の相違や問題をコントロールし、両国関係の大局が損なわれることを避けるべきだ」と強調しました。
15日、モディ首相は北京の人民大会堂で李首相と会談した後の共同記者会見で、国境問題について「公平で双方が受け入れ可能な解決方法を探す努力を続ける」と述べました。
経済・鉄道・海洋・宇宙協力など24項目の協力強化に向けたプロジェクト推進に関する文書に調印しました。プロジェクト総額は約100億ドル(約1兆1900億円)に上る見通し。李首相は「率直に言って両国間の貿易総額は大きくはないが、これは発展の潜在力があることを示している」と述べ、今後の協力拡大に期待を表明しました。