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2015年5月6日(水)

ネパール地震

農村地域への救援物資 “少ない、遅い”

不公平感募らせる住民も

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 【ジワンプル村(ネパール中部ダディング郡)=安川崇】ネパール中部を震源とする大地震から5日で10日が経過しました。首都カトマンズ近郊の農村にはようやくコメなどの物資が届き始めていますが、急場をしのぐにも十分ではなく、住民は「少なすぎる、遅すぎる」と訴えます。また同じ地域内でも分配を受けられない集落もあり、不公平感を募らせる住民もいます。


写真

(写真)崩れた自宅の前に立つ農家の男性=5日、ネパール中部ダディング郡ジワンプル村(安川崇撮影)

 中部ダディング郡ジワンプル村。標高1200メートルの尾根の上に数キロにわたって続く集落のいたるところに、崩れた家が赤茶色のがれきとなって横たわっています。

 約2200戸の住宅の9割以上が倒壊し、57人が死亡しました。住民は崩れた自宅跡に建てたトタン屋根の下で暮らしています。

 「3日になって、1世帯あたり20キロのコメが届いた」と中学教諭のラメシュ・カデル氏(37)が語ります。無舗装の悪路とはいえ、首都から車で3時間の距離。「なぜこれほど時間がかかるのか。分配の機能不全としか思えない」

 世帯当たりの人数はまちまちですが、20人以上という家族も少なくありません。「家族によっては数日で食べつくすだろう」(カデル氏)。切実に必要とされているテントはまだ届きません。

 「政府は月内にも学校を再開するというが、校舎はひび割れだらけ。とても子どもたちを呼べない。教育面の長期的な影響も心配だ」(同氏)

 一方、数キロ離れた同村周辺部の集落にはまだ何の物資も届いていません。

 「来るのは新聞やテレビの記者ばかり。地元政治家が身内を優先して分配させているという話も聞く」と農家のビクラム・ベトゥワル氏(26)はいらだちを隠しません。

 「1カ月以内に雨期が来る。栄養状態が悪いうえにきちんとした屋根がないと、衛生状態が悪化する。本当の試練はこれから来る」

 援助態勢の機能不全は現地メディアも指摘します。被災者への補償金の分配を管理する全政党委員会はできたものの、主要紙カトマンズ・ポストは4日付1面掲載の論評で「委員会は各地でほとんど機能していない。政党間の確執のために分配は滞っている」と指摘しています。


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