2015年4月28日(火)
海洋紛争平和解決を
ASEAN首脳会議開幕 マレーシア首相強調
【クアラルンプール=井上歩】東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が27日、当地で開幕しました。議長国マレーシアのナジブ首相は開幕演説で、経済共同体構築の取り組みを進め、「アジアの世紀がASEANの世紀にもなるよう、ともに努力しよう」と呼び掛けました。
マレーシアは今回、15年末の共同体構築を控えて、「人間中心のASEAN」の推進を提唱。ナジブ首相は「地域の市民が、ASEANの将来は、自分の将来であると感じる」共同体づくりを訴えました。
また、ナジブ首相は「共同体となるには域内紛争に対処しなければならない」と強調。「海洋紛争など地域に密接な問題を、緊張を高めず平和的に取り扱う必要がある。南シナ海の最近の情勢に懸念が持ち上がっている。建設的かつ積極的に、先を見越して対処しなければならない」と述べました。
同会議は「人間中心のASEANに関する宣言」「穏健派のグローバル運動に関する宣言」と、災害・気候変動対策の制度化に関する宣言を採択。27日午後、ランカウィ島に場所を移して、南シナ海問題など地域、国際情勢を議論します。
26日の外相会議では、フィリピンの外相が、南シナ海での中国の埋め立て活動に、一致して反対を表明するよう要求しました。マレーシアのアニファ外相は同日の記者会見で、南シナ海問題での対応で「バラバラな行動を避けなければならない」と述べました。
外相会議は、ネパールの大地震で被災したネパール、インド、バングラデシュの政府と国民に哀悼の意を表する声明を発表。連帯し、支援を拡充する意向を示しました。