2015年4月23日(木)
バンドン会議60周年会議開幕
公正な世界こそ
国連決議ない武力行使非難 開催国大統領
【ジャカルタ=井上歩】1955年のバンドン会議の60周年を記念するアジア・アフリカ首脳会議が22日、ジャカルタで開幕しました。開催国インドネシアのジョコ大統領は開幕演説で、明確な国連決議のない武力行使を強く非難し、国連改革を求めました。
“10原則 今も重要”
ジョコ氏は「社会的公正、平等、調和と繁栄の新しい世界秩序という共通の理想はまだ実現していない。われわれのたたかいはまだ終わらない」と表明。「富める国は力で世界を変えられると考えており、(多数の中小国との)不平等が悲惨な結果をもたらしている」として、一方的な武力行使があった場合でも機能する「すべての国に公正な世界機構」への改革を訴えました。
ジョコ氏は、いまだに12億人が1日2ドル以下で暮らすなど「世界的不公正はだれの目にも明らかだ」とも指摘。世界銀行など従来の国際金融機関に世界経済は運営できないとのべ、「新興国にも開かれた新しい経済秩序を築かなければいけない」と強調しました。
参加国首脳からは、60年で世界は変わり、アジア・アフリカ諸国は主権を持ち発展しているが、バンドン10原則は「いまもきわめて重要」(ヨルダンのアブドラ国王)との発言が続きました。
イランのロウハニ大統領は「世界政治の現状を鑑みるに、バンドン原則を行動に具体化するのはわれわれの義務だ。そのうえでアジアとアフリカのつながり、結束を強化する必要がある」と訴えました。
バンドン10原則 ▽国家主権と領土保全の尊重▽すべての国家の平等▽内政不干渉▽国連憲章に合致する個別的・集団的自衛権(及び大国の特定の利益のためには使わないこと)▽紛争の平和解決▽他国へ侵略・脅迫・力の行使をしないこと▽相互利益と協力の促進―などを明記。戦後国際社会の平和の原則として普及し、東南アジア諸国連合(ASEAN)の地域協力の基礎などに取り入れられています。