2015年4月19日(日)
エボラ終息へ支援を
国連総長「最後の道のりが困難」
【ワシントン=島田峰隆】国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は17日、西アフリカ3カ国でのエボラ出血熱の感染拡大は減速しているものの「最後の道のりが最も困難だ」として、感染終息と国の復興へ国際社会が支援を続けるよう求めました。ワシントンで開催中の国際通貨基金(IMF)・世銀春季会合の催しで述べました。
潘氏は、リベリアでは過去2カ月の感染数が1件にとどまり、ギニアとシエラレオネでも大幅に減ったとし、「重要な前進があった」と強調しました。
一方で「これらの国は過去の内戦や不安定な状況から持続可能な和平へ移行する弱い状態にある」と指摘。感染終息への支援、病院や学校の確保、雇用創出、孤児への支援など「復興と平和構築への支援」が必要だと語りました。国連は3カ国への支援を話し合う国際会議を7月に開く予定で、積極的な参加を呼び掛けました。
世界銀行は17日、3カ国への支援として今後1年半に少なくとも6億5千万ドル(約770億円)を拠出すると発表しました。キム総裁は「国際社会のエボラ出血熱への対応は遅かった。持続可能な復興を支援することで教訓を学んだことを示そう」と述べました。
世界保健機関(WHO)の最新報告によれば、これまでに西アフリカを中心に2万5826人がエボラ出血熱に感染し、1万704人が亡くなりました。