2015年4月17日(金)
過激思想の根本に迫る
東アジア首脳会議参加国シンポ
シンガポール
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【シンガポール=井上歩】過激組織ISなどが世界的に宣伝する過激思想=「暴力的過激主義」の浸透や影響を防ぐ方策を見いだそうと、東アジア首脳会議(EAS)参加国の政府担当者や専門家が集うシンポジウムが16日、シンガポールで開かれました。EASには東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と日米中など計18カ国が参加しています。
同国のテオ・チーヒン副首相(国家安全保障調整相兼内相)は「ISに対抗するには、その思想的なルーツに立ち向かう必要がある。単なる軍事的、警察的対応だけでは対処しきれない」と演説しました。
EAS首脳会議は2014年11月、過激主義の根本要因に対処することなど包括的なテロ対策の必要性を強調。シンガポールのリー・シェンロン首相が会議後、専門家らの経験交流の場を提供すると表明していました。
主催したラジャラトラム国際問題研究所は、過激思想の影響を受けた人の「宗教的更生と社会復帰」をテーマに設定。シンガポールでは10年ほど前から説教師や宗教学者、省庁横断のアフターケア・グループがテロ関連容疑者やその家族の宗教カウンセリングや社会復帰支援を行い、成果をあげていることをテオ副首相が紹介しました。
シャンムガム外相は記者団の取材に「この問題に一人で対処できる国はなく、国際協調的な取り組みが必要だ。(国際社会は)この問題を深刻な脅威だと認め、連携を重視する考えを持つようになった」と述べました。
シンポジウムには500人以上の専門家らが参加しました。