2015年4月12日(日)
排除乗り越え新段階へ
キューバが初参加
米州サミット開幕
【パナマ市=島田峰隆】中米パナマの首都パナマ市で10日、第7回米州首脳会議(米州サミット)が始まりました。米国の敵視政策により排除されてきたキューバが今回から参加し、南北米州35カ国の代表が初めて勢ぞろいしました。開幕式典では、米州で排除が克服されたとして、キューバの参加を歓迎する演説が続きました。
主催国パナマのバレラ大統領は「米州のすべての国が初めて参加する歴史的な首脳会議の開催国となったことをたいへん名誉に思う」と強調。「これは異なる体制の尊重に基づく米州の新しい段階の始まりだ」と述べ、大きな拍手を浴びました。
5月に任期を終える米州機構(OAS)のインスルサ事務総長は「21世紀の米州システムは、民主主義によって正当化された多様な主権国家で構成される、誰にでも開かれたシステムとしてのみ機能できる。また完全に対等な条件においてのみ行動できる」と発言しました。
同氏は「介入、排除、政治的抑圧、対立はもはや米州の国家関係では受け入れられないし、有益でもない」とも指摘。米国とキューバの関係について「完全に正常化することを望む」と強調しました。
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長も、分断があった米州ですべての国が参加する首脳会議が開かれたとして歓迎し、米キューバ国交正常化に期待を表明しました。
開幕に先立って企業関係者、教育関係者、市民社会、若者によるフォーラムがそれぞれ開かれました。
10日の市民社会のフォーラムにはオバマ米大統領が出席し、「初めてキューバがサミットに参加したことをうれしく思う」と発言しました。また「米国は各国の違いを尊重する。米国が一切とがめられることなく米州に干渉できると考えられた時代は過ぎ去った」と語り、会場から拍手が起こりました。