2015年4月6日(月)
地雷根絶対策強化を
国際デー10年 国連総長呼びかけ
【ワシントン=島田峰隆】国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は4日、過去10年に対人地雷禁止条約(オタワ条約)の締約国が増えるなど地雷の脅威根絶へ前進があった一方で「今も紛争で地雷のような無差別兵器が使われている」と指摘し、国連加盟国に対策を強めるよう呼び掛けました。
国連総会が2005年に制定した「地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー」(4月4日)10周年にあたってのメッセージで述べました。
潘氏はオタワ条約の締約国が162カ国になったことや、昨年1年間で国連が40万発を超える地雷や爆発性戦争残存物を廃棄したことなどを挙げ「国際デー制定以来、大きく前進した」と述べました。
一方で「アフガニスタンやカンボジアでは老若男女が数十年前に埋められた地雷の犠牲になり続けている」と強調。地雷やクラスター爆弾など爆発性戦争残存物は「すべて除去されるまで脅威として残る」とし、こうした脅威の除去へ国連加盟国が財政的、政治的支援を続けるよう訴えました。
世界各地の非政府組織(NGO)でつくる地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)は、4日を迎えるにあたって発表した文書で▽オタワ条約締約国は2025年までに地雷除去を終える▽同条約の未加盟国は遅滞なく加盟する▽地雷被害者への支援の格差をなくす―ことなどを求めました。