2015年4月2日(木)
対エジプト軍事援助再開
米大統領 ISへの対策強化
【ワシントン=島田峰隆】オバマ米大統領は3月31日、エジプトのシシ大統領と電話協議し、2013年夏のエジプト治安部隊によるデモ隊弾圧を受けて実施していた、大型兵器供与の凍結を解除すると伝えました。ホワイトハウスが同日の声明で発表しました。
声明によると、米政府はF16戦闘機12機、対艦ミサイル20基、M1A1エイブラムス戦車最大125両分などを供与します。年間13億ドル(約1560億円)の軍事援助も全面的に再開する意向です。
米国家安全保障会議(NSC)のミーハン報道官は「援助再開は米国の安全保障の利益になる」と強調。援助は「中東地域で共有する目的」の実践に活用されるとし、その目的には「エジプトを安全で安定した国にし、テロ組織を撲滅することが含まれる」と述べました。
米政府が軍事援助の再開を決めた背景には、過激組織ISなどへの対策強化があるとされます。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「オバマ氏はリビアやイエメンでの過激派掃討という共有する目標に焦点を当てている」と指摘しています。
エジプトは過激組織対策を念頭にした「アラブ合同軍」の創設を主導してきました。また2月にISがリビアでエジプト人を殺害したとする映像を公開した際には、リビア内のIS関連施設に報復空爆を実施しました。