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2015年3月20日(金)

原発災害リスク盛り込む

国連防災世界会議が閉幕 気候変動など国際協力争点に

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 第3回国連防災世界会議では、気候変動などで増大している災害リスクに対処するための国際協力のあり方が、大きな焦点になりました。東京電力福島第1原発事故を受け、原発災害リスクも初めて論議されました。

 (国連防災世界会議取材班)


 会期中には南太平洋のバヌアツを大型サイクロンが襲いました。

 国連国際防災戦略事務局(UNISDR)によれば、この10年間の災害犠牲者は70万人。災害の8割以上が気候変動に関連しています。

 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は「島しょ国や沿岸地域に住む何億人もの人々を危機にさらしている」とし、対策のための「資金的裏づけ」を先進国に呼びかけました。

 会議で採択した国際的な防災指針「仙台防災枠組み」では、この資金協力の記載をめぐって激しい応酬となりました。

 とくに米国は、公式な意見表明でも、「領土内の防災に主体的な責任を負うのは、それぞれの国だ」と激しく反発しました。

 交渉は難航し、最終日の午前中に予定された採択は、日付が変わる5分前にまでずれ込みました。議長国の日本がまとめた最終案では資金協力に関する明確な記載がなくなり、防災の実行に大きな影を落としました。

 会議でもう一つ大きな焦点となったのが、原発災害への対応です。防災指針には、原発災害を含む「人為災害」も防災の対象として盛り込まれました。

 一方、安倍晋三首相は本会議のスピーチで原発事故にほとんど触れず、これに失望や批判の声もあがりました。

 閉会後に会場内で会見した、非政府組織など104団体でつくる「JCC2015」の大橋正明共同代表は、「原発の安全神話から脱却するための政治的意思が後退している」と安倍首相のスピーチを批判しました。

 そのうえで、原発災害をめぐる防災指針の記載を「極めて重要な一歩」と評し、対策の実行を訴えました。


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