2015年3月16日(月)
EU外相キューバ初訪問へ
米国にらみ関係改善急ぐ
【パリ=島崎桂】欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表(外相)は14日、今月23、24の両日にキューバを訪問すると発表しました。EU外相のキューバ訪問は初めて。米国とキューバによる国交正常化交渉が続く中、EUも高官を派遣することで関係改善を急ぐ姿勢を示しました。
モゲリーニ氏は声明で、「キューバは非常に興味深い時期を迎えており、EUがどのように(キューバとの)関係を前進させられるか探りたい」と表明しました。
声明によると、モゲリーニ氏はキューバ滞在中、同国のロドリゲス外相や政府高官、首都ハバナの大司教、現地の非政府組織(NGO)代表らと会談し、「キューバの発展と、相互協力の見通し」について話し合います。
EUは2003年、キューバ政府による国内反体制派の弾圧など、同国の人権状況を理由に対キューバ制裁を発動。制裁は08年に解除されましたが、人権分野での立場の相違から関係改善には至っていませんでした。ただ、双方の経済関係は深く、キューバにとってEUはベネズエラに次いで第2の貿易相手となっています。
EUは昨年2月、キューバとの経済関係の強化や同国の人権状況の改善をめぐる交渉を開始。米政府も昨年12月以来、キューバとの国交正常化交渉を重ねるなど、欧米諸国とキューバの関係改善が進んでいます。
欧州ではフランスのオランド大統領も、同国首脳として初のキューバ訪問を5月に予定しています。