2015年3月15日(日)
国連防災世界会議が開幕
資金負担・気候災害を議論
仙台
災害による死者や、経済的損失の削減について話し合う第3回国連防災世界会議が14日、仙台市で開幕しました。防災の必要性の高まりから今回初めて首脳級会合となったほか、国連加盟国の大半となる100カ国以上の代表団が参加。国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は開会式で、「防災の歴史でもっともハイレベルな会議」だと評価しました。
会議は18日まで5日間の日程で、最終日に新たな行動指針を採択する予定です。
潘事務総長は、会議での議論が世界中の多くの人々の命にかかわると指摘。前回2005年の兵庫会議で採択された行動指針「兵庫行動枠組」にもとづく取り組みで「何千という人命が救われた」と語りました。
その上で、気候変動が島しょ発展国や沿岸地域に住む何億人もの人々を危機にさらすなど防災ニーズは増えていると強調。「もっとも貧しい人々、弱い人々を助けなければならない」とし、国際的な連帯と経済的支援への理解を各国に求めました。
12月のパリ気候変動会議で議長を務めるローラン・ファビウス仏外相も「災害の70%は気候変動と関連している。貧しい国々は適応する資金がなく、もっとも脆弱(ぜいじゃく)性に直面している」と指摘し、今回会議の成功を訴えました。
開会式ではほかに、安倍晋三首相、奥山美恵子仙台市長らが発言しました。
会議が採択をめざす防災の新指針はこれまでの「兵庫行動枠組」を発展させるほか、30年までの被害削減の数値目標を設定します。草案では「人為的な要因による災害」を取り組みの対象としており、気候変動のほか、紛争や原子力災害の位置づけも注目されます。