2015年3月13日(金)
辺野古 ボーリング再開を強行
翁長知事 「許可取り消しに対応」
県民ら強く抗議
防衛省沖縄防衛局は12日、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設に向けて、昨年9月以降中断していた海底掘削(ボーリング)調査を約6カ月ぶりに再開しました。沖縄県の翁長雄志知事は仲井真弘多前知事による埋め立て承認の検証を進める間、政府に作業の中断を要請していましたが、安倍政権は一顧だにせず作業を強行しました。
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翁長知事は記者団に対し、「調査再開は遺憾」と述べ、「あらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地は造らせないという公約の実現に向け、全力で取り組む」とあらためて表明しました。県は掘削調査の根拠となる岩礁破砕許可の取り消しに向け、作業を急いでいます。知事は取り消しについて「しっかり対応していく」と述べました。
菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で、「一昨年に当時の(仲井真)知事から辺野古の埋め立て承認をいただいて工事を行っている」と述べ、「粛々、淡々」と作業を強行する考えを示しました。
防衛局は12日午前10時半ごろ、2基の作業足場(スパット台船)のうち、11日に大浦湾沖に設置していた1基で掘削調査を開始。足場から、杭のような棒状の機材が海面に向かって伸ばされているのが確認されました。
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さらに、2基目の台船も1基目の北側に移動させ、掘削の準備を開始。台船付近の大型クレーン船も杭状の機材を海面に沈める作業を始めました。昨年8〜9月の作業では比較的水深の浅い地点で調査を行っていましたが、今回は深場での調査に着手したもようです。
県民らは抗議船5隻を繰り出して「辺野古の海は宝の海だ」「子や孫に説明できないような作業はやめろ」と海上から抗議を行いました。一方、海上保安庁は抗議船に乗り込んできて強制排除や拘束を図るなど、現場は一時騒然としました。
また、キャンプ・シュワブゲート前でも終日、県民らがボーリング調査再開への抗議を繰り返しました。
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