2015年3月12日(木)
ミャンマー 教育民主化へデモ
学生らを警官が弾圧
ミャンマー最大の都市ヤンゴンの北方120キロの中部の町レパダンで10日、学生のデモ隊と支援者約230人に対し、数百人の警官隊が警棒などで暴行を加えて強制解散させました。100人以上が身柄を拘束され、学生や支援の仏教僧に多数のけが人が出ました。 (伊藤寿庸)
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デモは今年1月20日、北部の都市マンダレーを出発し、最大都市ヤンゴンに向け約640キロを行進中でした。学生らは、昨年制定された国家教育法が政府による教育の国家統制を強めているとして、改正を要求。▽教育関連の立法過程への教師や学生代表の参加▽学生自治会・教員組合結成の自由化▽入試や成績評価の制度改革▽中等教育の無償・義務化―などを求めています。
一連の要求は、昨年11月にヤンゴンで開かれた全国緊急学生集会が採択したもの。同集会は、全ビルマ学生自治会連合など複数の学生組織で「民主教育行動委員会」を結成しました。
同委員会は結成直後、政府に対する要求行動を実施。教育相が学生代表との会見に応じ、学生自治会結成の自由化など一部の要求の受け入れを表明していました。
しかし学生側は不十分だとして、1月から全国行進を開始。2月中旬には、政府と国会、学生、教育改革を求める全国団体の4者協議も実施され、教育法改正で大筋合意するなどの成果を勝ち取りました。
学生らは、改正法案の国会審議を見守るとしてレパダンで一時デモを中断していましたが、審議が迅速に進んでいないとして再開を決定。これにたいし当局が、これ以上のデモの継続は「国家の安定と平和を乱す」として、デモの強制排除に踏み切りました。
ヤンゴンなど各地で、学生デモ弾圧に抗議するデモが実施されましたが、警官隊によって解散され、政府の強硬姿勢を見せ付けた形となりました。ヤンゴンのデモに参加した学生は地元紙に「私たちは、民主教育実現まであらゆる手段で運動を続ける」と語りました。